確定拠出年金=401kの仕組みの解説、資産運用・ポートフォリオ戦略に関する入門ガイド

初心者のための確定拠出年金(401k)入門ガイド

ライフサイクルから見た年金運用2:統合局面


統合局面: Consolidation phase


 統合局面とは、退職直前の数年間程度の短い期間を指します。この局面では、賃金自体も確定拠出年金プランに対する掛け金の金額も、ピークになっている時期です。

 退職が近づいてくると、金融市場が下落から回復することを待てる時間が短くなることから、リスクに対する許容度は低下します。このため、この局面では株式への投資は適さず、債券などの安定的な金融資産へのシフトが、一般的には薦められています。

 高いリターンを求めにいくと、どうしてもリスクの高い金融資産に投資せざるをえなくなります。そうしますと、リスクが高いために、資産価値の変動幅が大きくなります。

 特に、目減りする方向に変動が激しかった場合、若い時でしたら、じっくりと待って価値が戻ってくるのを待てばよいのですが、退職が近くなってきますと、いよいよ給付を受けるタイミングが近付いてきています。給付のを目の前にした段階まで来ますと、資産の変動をじっくりと待っている時間的な余裕は小さくなります。

 この点に注目した場合の、資産運用の考え方と言えます。

【目次】

1.確定拠出年金=401kの仕組み
日本の年金制度の現状
今後の公的年金制度
確定拠出年金(401k)登場の背景
確定拠出年金(401k)の区分
企業型の確定拠出年金(401k)
個人型の確定拠出年金(401k)1
個人型の確定拠出年金(401k)2
確定拠出年金(401k)掛け金の取扱い
確定拠出年金(401k)の給付
確定拠出年金(401k)の受け取り方
確定拠出年金(401k)の運用
確定拠出年金(401k)掛け金の税制
確定拠出年金(401k)給付の税制
加入資格喪失と途中解約
運営管理機関等が破綻した場合
預金保険制度

2.米国の状況と受託者責任
米国の確定拠出年金(401k)制度
米国確定拠出年金(401k)制度の概要1
米国確定拠出年金(401k)制度の概要2
年金運用の受託者責任の重要性
年金の受託者責任ガイドライン
受託者責任ガイドラインの応用
米国の受託者責任〜プルーデントマン・ルール


3.年金資産運用、ポートフォリオ戦略
確定拠出年金(401k)の資産配分
401k年金の資産配分の実例
■ライフサイクルから見た年金運用
  1.積立局面
  2.統合局面
  3.消費・退職局面
確定給付型アセット・アロケーション
年金運用でのリスクとリターン
リスクの種類
年金会計の用語解説

金利・インフレリスクへの対応


 安定性の高い債券運用が望ましいとされる一方で、この局面において長期債に投資することのリスクを指摘する意見もあります。これは長期債自体が、金利リスクに晒されているからです。

 各個人は金利に反応して変動するような債務を通常持っていないので、金利に変動して価格の変動する長期債で運用していたとしても、債権と債務の金利リスクを相殺することが出来ません。

 それどころか、金利が上昇した場合には、退職後の実質的な収入目標が変わらないのに対して、保有していた債券の価値は金利に反応して減少・目減りしてしまいます。

 従って、個人の場合には満期までの期間が3〜5年以上の債券や債券ファンドについては、金利の変化に連動しているもの(物価連動国債など)を除いて、避けたほうが好ましいとする意見があります。



> ライフサイクルから見た年金運用 3.消費・退職局面


年金運用のために投資信託をもっと詳しく知りたい時は > 投資信託 辛口入門ガイド

| 初心者のための確定拠出年金(401k)入門ガイド | IPO初値分析・株式投資 | IPO初値予想・分析日記 |