確定拠出年金=401kの仕組みの解説、資産運用・ポートフォリオ戦略に関する入門ガイド

初心者のための確定拠出年金(401k)入門ガイド

ライフサイクルから見た年金運用1:積立局面


ライフサイクルの3区分


 戦略的アセット・アロケーションの決定にあたっては、年金を保有する人の人生の局面を3分類して考えます。

 三区分とは、積立局面と、統合局面、消費・退職局面です。それぞれの段階によって、考えなければいけないリスクが変化していきます。このために、リスクに応じた資産運用の選択・変更が必要になります。

【目次】

1.確定拠出年金=401kの仕組み
日本の年金制度の現状
今後の公的年金制度
確定拠出年金(401k)登場の背景
確定拠出年金(401k)の区分
企業型の確定拠出年金(401k)
個人型の確定拠出年金(401k)1
個人型の確定拠出年金(401k)2
確定拠出年金(401k)掛け金の取扱い
確定拠出年金(401k)の給付
確定拠出年金(401k)の受け取り方
確定拠出年金(401k)の運用
確定拠出年金(401k)掛け金の税制
確定拠出年金(401k)給付の税制
加入資格喪失と途中解約
運営管理機関等が破綻した場合
預金保険制度

2.米国の状況と受託者責任
米国の確定拠出年金(401k)制度
米国確定拠出年金(401k)制度の概要1
米国確定拠出年金(401k)制度の概要2
年金運用の受託者責任の重要性
年金の受託者責任ガイドライン
受託者責任ガイドラインの応用
米国の受託者責任〜プルーデントマン・ルール


3.年金資産運用、ポートフォリオ戦略
確定拠出年金(401k)の資産配分
401k年金の資産配分の実例
■ライフサイクルから見た年金運用
  1.積立局面
  2.統合局面
  3.消費・退職局面
確定給付型アセット・アロケーション
年金運用でのリスクとリターン
リスクの種類
年金会計の用語解説

積み立て局面: Accumulation phase


 積み立て局面は、年金資金の運用を開始した時期から、退職前までの長い期間を指します。

この局面では、退職後の25〜30年間程度を生活するために必要な十分な規模の積み立て資産を構築していく必要がある期間です。その一方で、この局面自体の期間も通常20〜30年程度の長期間にわたります。

 積立額は、雇用主の支払う掛け金と運用のパフォーマンスの2項目に全面的に依存します。退職後の望ましい生活水準の維持が可能になる程度にまで、この積立額を増やしていく必要があるのですが、この長期間の間に、緩やかなものであったとしてもインフレーションが継続していれば、複利効果によって、積み立て額の将来価値は大きく減少してしまう可能性があります。

 従って、資産の成長ペースは、将来のインフレーションの影響を相殺するために十分なものでなくてはなりません。

 こうした視点で、十分なインフレヘッジを行おうとするためには、アセット・アロケーションでは株式のウエイトを高くする必要があります。

 株式投資には当然高いリスクが伴いますが、この局面自体の期間が長いために、株式の運用リスクに対する許容度は一般的に高くなっています。金融市場が一時的に低迷したとしても、その回復を待てるだけの時間的な余裕があるからです。

 こうしたリスクに対する許容度が高い局面であることと、長期にわたって年金資産はインフレリスクにさらされていることへの対応策として、株式への投資が重要となります。



> ライフサイクルから見た年金運用 2.統合局面


年金運用のために投資信託をもっと詳しく知りたい時は > 投資信託 辛口入門ガイド

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