積み立て局面: Accumulation phase
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積み立て局面は、年金資金の運用を開始した時期から、退職前までの長い期間を指します。
この局面では、退職後の25〜30年間程度を生活するために必要な十分な規模の積み立て資産を構築していく必要がある期間です。その一方で、この局面自体の期間も通常20〜30年程度の長期間にわたります。
積立額は、雇用主の支払う掛け金と運用のパフォーマンスの2項目に全面的に依存します。退職後の望ましい生活水準の維持が可能になる程度にまで、この積立額を増やしていく必要があるのですが、この長期間の間に、緩やかなものであったとしてもインフレーションが継続していれば、複利効果によって、積み立て額の将来価値は大きく減少してしまう可能性があります。
従って、資産の成長ペースは、将来のインフレーションの影響を相殺するために十分なものでなくてはなりません。
こうした視点で、十分なインフレヘッジを行おうとするためには、アセット・アロケーションでは株式のウエイトを高くする必要があります。
株式投資には当然高いリスクが伴いますが、この局面自体の期間が長いために、株式の運用リスクに対する許容度は一般的に高くなっています。金融市場が一時的に低迷したとしても、その回復を待てるだけの時間的な余裕があるからです。
こうしたリスクに対する許容度が高い局面であることと、長期にわたって年金資産はインフレリスクにさらされていることへの対応策として、株式への投資が重要となります。
> ライフサイクルから見た年金運用 2.統合局面
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