確定拠出年金への資産シフトの動きは最近始まったものであるため、確定拠出型年金の運用パフォーマンスについてのデータは、特に日本ではまだ整備されていません。米国での調査・統計実績も、まだまだ十分とは言えない状況です。
とはいえ、米国では幾らかの調査・統計は進められています。その実証データを見ると、従業員指図型の確定拠出型プランでは、退職時にそれまで受け取っていた賃金に十分とって代わることが出来ない程度の、保守的な、つまりリスクとリターンが小さい資産配分となっています。また、これは今のところ米国に特有の現象として、分散投資の概念を逸脱する水準まで、雇用先の株式=自社株に大きく依存していることが判明しています。
以下は1996年にWall Street Journal に発表されたIOMA(Institute of Management and Administration)による確定拠出型年金プランでの全資産の分布状況調査です。対象となったサンプルは、合計1,060万人の参加者を持つ246社です。
自社株 |
42% |
利率保証契約(GIC) |
24% |
株式 |
18% |
バランス型 |
6% |
債券 |
4% |
キャッシュ |
3% |
その他 |
2% |
利率保証契約とは、預金タイプの利率が保証されたローリスク・ローリターンの金融商品だと考えれば良いでしょう。これは米国での調査ですので、日本の場合には、このデータよりも、自社株と株式のウエイトが低く、利率保証タイプの金融商品のウエイトが大きくなっていると想定されます。
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