確定拠出年金=401kの仕組みの解説、資産運用・ポートフォリオ戦略に関する入門ガイド

確定拠出年金(401k)の資産配分の考え方


確定拠出年金の資産配分の背景


 確定拠出年金(401k)では、確定給付型とは異なって、個々人が自分の責任において、資産配分を決定して運用さなければなりません。

 資産配分の決定のことを「戦略的アセット・アロケーション」と言います。そこではまず、投資の原理に関する知識が必要であり、その上で自分でその原理を自分の置かれている環境に適用させなければいけません。

 実際に確定拠出年金(401k)での戦略的アセット・アロケーションを決定するにあたって、この制度と確定給付型年金との違いについて、もう一度確認しておくことが必要です。この違いは、大勢の従業員の年金資産を法人がまとめて運用する=確定給付年金と、個人が自分の年金資産だけを運用する=確定拠出年金、の違いとして現れます。

 主な違いとしては、以下の4点があげられます。

1. 年金資産を持つ反面、個々人では住宅ローンなどの負債を持っているケースがあり、この負債の額と質については、個人間の違いがあること

2. 個人の場合には、積み立てた資産のインフレリスクをヘッジすることに役立つ固定負債を持っていないために、大きなインフレリスクにさらされていること

3. 法人による運用が半永久的であることに対して、個人の場合には寿命があり、時間が有限であること。また、その期間自体が個人によって異なり、同一人物の中でも時間の経過と共に、余命の推定値が刻々と変化していくこと

4. 個人の場合には、資産運用について課税されること。確定拠出型年金以外の多くの金融商品による運用利益に対しては、課税されるので、資産の選択行動に少なからず影響を与えること

【目次】

1.確定拠出年金=401kの仕組み
日本の年金制度の現状
今後の公的年金制度
確定拠出年金(401k)登場の背景
確定拠出年金(401k)の区分
企業型の確定拠出年金(401k)
個人型の確定拠出年金(401k)1
個人型の確定拠出年金(401k)2
確定拠出年金(401k)掛け金の取扱い
確定拠出年金(401k)の給付
確定拠出年金(401k)の受け取り方
確定拠出年金(401k)の運用
確定拠出年金(401k)掛け金の税制
確定拠出年金(401k)給付の税制
加入資格喪失と途中解約
運営管理機関等が破綻した場合
預金保険制度

2.米国の状況と受託者責任
米国の確定拠出年金(401k)制度
米国確定拠出年金(401k)制度の概要1
米国確定拠出年金(401k)制度の概要2
年金運用の受託者責任の重要性
年金の受託者責任ガイドライン
受託者責任ガイドラインの応用
米国の受託者責任〜プルーデントマン・ルール


3.年金資産運用、ポートフォリオ戦略
■確定拠出年金(401k)の資産配分
401k年金の資産配分の実例
ライフサイクルから見た年金運用
  1.積立局面
  2.統合局面
  3.消費・退職局面
確定給付型アセット・アロケーション
年金運用でのリスクとリターン
リスクの種類
年金会計の用語解説

401k特有の年金債務の問題


 年金債務は積み立て不足のリスクに常に晒されています。金融市場が低迷したり、投資判断=買い時・売り時を誤ったり、積み立て額が不十分であった場合には、積み立て不足に陥ります。

 例えば、将来に必要な金額から逆算して、本来なら年率2%で運用しなければならないケースで、何らかの事情によって1.5%でしか実際には運用成果が上がらなかった場合には、将来に必要な資金が賄えないことになり、積み立て不足となります。

 確定給付年金であれば、こうした年金債務の積み立て不足が発生した場合については、企業が補充をすることになっています。これに対して、確定拠出の場合には、年金スポンサーが資金提供を増加してくれるという契約にはなっていません。まさに、自己責任の世界となっています。



> 401k年金の資産配分の実例


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