確定拠出年金=401kの仕組みの解説、資産運用・ポートフォリオ戦略に関する入門ガイド

初心者のための確定拠出年金(401k)入門ガイド

2005年度以降の国民年金・基礎年金の国庫負担割合の見直し


財政均衡期間の変更

 厚生年金や国民年金の財政の均衡を図る期間が、これまでの無限の将来までとする「永久均衡方式」から、100年程度の期間とする「有限均衡方式」に変更されました。

 公的年金制度では、給付と負担の均衡を永久に確保する必要があります。しかし、粗い前提を置いた上で、永久均衡本式によって財政の均衡を図ろうとすると、大きな積立金を確保する必要が出てきます。このため、平成16年度の改正の際に、均衡方式が変更されました。

 今後は、有限の期間で均衡を図る方式をとった上で、永久に給付と負担の均衡を確保する必要があります。このため、有限均衡方式では、財政均衡期間を財政検証のたびに、ずらしていくことになります。平成16年度(2004年度)の改正では、財政均衡期間は、2005年から2100年までとされ、その5年後に財政検証を行う時には、この均衡期間を5年ずらして、2010年から2105年とされる予定です。

4.もっと詳しい年金の話 目次

1. 国民年金
2. 国民年金基金
3. 2005年度以降の国民年金・基礎年金の国庫負担割合の見直し
4. 2005年度以降の国民年金・基礎年金の仕組みの見直し
5. 厚生年金保険
6. 厚生年金基金

7. 2005年度以降の企業年金の見直し
8. 二国間社会保障協定
9. 確定給付企業年金と適格退職年金
10. 年金にかかわる税金
11. 代表的制度の資産運用事例1
12. 代表的制度の資産運用事例2

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将来の保険料水準の決定

 将来の保険料水準が全て法律で定められ、保険料水準固定方式が採用されました。

 厚生年金の保険料率は、2004年10月に、従来の13.58%から13.934%に引き上げられ、以降は毎年9月に0.354%ずつ引き上げられる予定です。平成29年(2017年)9月以降は、18.3%に固定されます。

 国民年金の保険料は、平成16年度価格を基準として、平成17年4月に13,300円から、13,580円に引き上げられました。以降は、毎年4月に280円ずつ引き上げられる予定です。平成29年(2017年)4月以降は、16,900円に固定されます。

 なお、この金額は平成16年度価格を基準としていますが、実際の保険料額は、これに保険料が賦課される時点までの賃金上昇率を乗じることで決定されます。

マクロ経済スライドの導入

 保険料水準固定方式を採用する中での財政の均衡を図るために、賃金再評価や物価スライドを調整する、「マクロスライド方式」を導入しました。通常の再評価率や物価スライド率から、公的年金加入者数の減少率や、65歳の平均余命の伸び率を減じて、スライド・再評価を行うものです。

 公的年金の年金額は、手取り賃金の伸び率や物価の上昇率を反映するように改定されていましたが、厚生年金と基礎年金では考え方に不統一がありました。このため、平成16年度改正では考え方を統一して、

65歳までは、一人当たり手取り賃金の伸び率
65歳以降は、物価上昇率

に応じて改定を行うことになりました。

 しかし、財政の均衡をとるため、この給付改定の原則を調整するものが、「マクロ経済スライド」です。

 「公的年金加入者の減少率+65歳の平均余命の伸び率」を「スライド調整率」として、財政の均衡が図られるまでの期間は、「通常の改定率−スライド調整率」 によって、給付の改定が行われます。なお、「65歳の平均余命」の伸び率は、0.3%固定です。

 以上の結果、マクロ経済スライドが実施されている期間中はの給付改定率は、

65歳までは、「一人当たり手取り賃金の伸び率−スライド調整率」
65歳以降は、「物価上昇率−スライド調整率」
となります。


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