確定拠出年金=401kの仕組みの解説、資産運用・ポートフォリオ戦略に関する入門ガイド

初心者のための確定拠出年金(401k)入門ガイド

年金運用でのリスクとリターン


リターン


 通常「リターン」とは、預貯金の利息や株式の値上がり益を指しますが、年金運用の場合には支払い金額=投資金額と、受け取り金額=回収金額の差額を指します。10,000円を投資して、1年後に10,500円になった場合には、最初の金額を基準としてそこから増えた金額=500円がリターンになります。また、損失が発生した場合には、「マイナスのリターン」となります。

 リターンを更に詳細に分類すると、利息や配当金を「インカムゲイン」、値上がり益を「キャピタルゲイン」、値下がり損失を「キャピタルロス」と呼びます。

【目次】

1.確定拠出年金=401kの仕組み
日本の年金制度の現状
今後の公的年金制度
確定拠出年金(401k)登場の背景
確定拠出年金(401k)の区分
企業型の確定拠出年金(401k)
個人型の確定拠出年金(401k)1
個人型の確定拠出年金(401k)2
確定拠出年金(401k)掛け金の取扱い
確定拠出年金(401k)の給付
確定拠出年金(401k)の受け取り方
確定拠出年金(401k)の運用
確定拠出年金(401k)掛け金の税制
確定拠出年金(401k)給付の税制
加入資格喪失と途中解約
運営管理機関等が破綻した場合
預金保険制度

2.米国の状況と受託者責任
米国の確定拠出年金(401k)制度
米国確定拠出年金(401k)制度の概要1
米国確定拠出年金(401k)制度の概要2
年金運用の受託者責任の重要性
年金の受託者責任ガイドライン
受託者責任ガイドラインの応用
米国の受託者責任〜プルーデントマン・ルール


3.年金資産運用、ポートフォリオ戦略
確定拠出年金(401k)の資産配分
401k年金の資産配分の実例
ライフサイクルから見た年金運用
  1.積立局面
  2.統合局面
  3.消費・退職局面
確定給付型アセット・アロケーション
■年金運用でのリスクとリターン
リスクの種類
年金会計の用語解説

リスク


 「リスク」は一般的には「危険」と訳されますが、運用の場合には投資をする際に将来、思わぬ損失を被るか、思ったとおりの利益を得られるか、思った以上に利益が得られるのか、などが定まっていない=ばらつきがある状態を指します。従って、年金運用の場合には、リスクは必ずしも損をすることを意味するのではなく、期待したリターンにばらつきがあることを指します。

 期待値の平均から外れる可能性の幅が大きいことをリスクが高いといい、幅が小さいことをリスクが低いと言います。

リスクとリターンの関係


 リスクとリターンは、トレード・オフ、つまり両立しない関係にあると言われています。高いリターンを求めればリスクも大きくなりますし、リスクを低くするためには、高いリターンを諦める必要があります。

 例えば、まず間違いなく償還されることが見込める、いわゆるリスクの低い国債があったとします。この低リスクの国債のクーポンが、仮に10%などの高いリターンが約束されるものであったら、どうなるでしょう?

 低リスク・高リターンですから、みんなが買いたいと思うはずです。この国債が発行価格100円、クーポン10円だとすれば、みんなが買いたいと思いますから、需要と供給のバランスが崩れて、実際の売買価格は100円よりも高くなります。

 最終的には、他のリスクの少ない金融商品と同じ利回りになるまで、この国債の売買価格は上昇します。他のリスクの少ない金融商品の利回りが0.5%だとすれば、この国債の価格は2,000円まで上昇し、ここで需要と供給はバランスします。

 結局、低リスク・高リターンなどの歪みを持った金融商品が仮に出現したとしても、需要と供給のバランスから、最終的には他の同程度のリスクを持った金融商品のリターンの水準に収束してしまうことになります。



> リスクの種類


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